不動産基礎

不動産活用法の種類を解説

不動産活用法の種類を解説

不動産は活用されなければ、本来の価値を発揮することができません。資産価値が高い未利用の不動産ほど、維持費や税金が発生し、現金の流出が避けられまん。

不動産の活用は、【売る】【貸す】【自己利用】【共同活用】の4つに大別されます。ここでは、売却を除いた3つの活用方法について解説します。

貸す

貸主の土地を貸すことで賃料を得る方法です。借主との間で賃貸借契約を結び、毎月一定の賃料を得ることができます。土地を貸す際の契約種類は次の通りです。

●普通借地

借主の建物所有を目的とした借地契約です。借主側の権利が強く正当事由がなければ借地契約が更新され続けるため、半永久的に借地が続く場合があります。なお、駐車場や野立て看板などは、一時使用のための賃貸となるため、普通借には該当しません。

●定期借地権

定められた期間満了時に借地契約が終了する契約となります。貸主側の権利が守られていいるため、安心して貸し出すことができます。なお、双方の合意があれば、再契約することは可能です。

●一般定期借地権

最低50年以上の借地期間とし、建物の用途を問わない形式の契約となります。契約の更新はなく契約満了時に更地で返還されます。

●事業用定期借地権

事業用の建物所有を目的として契約となります。一般定期借地権と同様に、契約の更新はなく、契約終了時に更地で返還されます。借地期間は『10年~30年未満』と『30年~50年未満』とがあり、特約の有効範囲に違いがあります。

●建物譲渡特約付借地権

借地権設定後30年以上を経過した日に、その建物を土地の貸主が買い取ることで借地が終了する形式の契約です。貸主が建物を買い取るメリットが薄いため、実務上で利用することはあまりありません。

●建て貸し(オーダーメイド賃貸)

貸主が借主の望む仕様の建物を建築して賃貸する方法です。建物の建築費用は、月々の賃料に上乗せされて受け取ることができます。主にコンビニやチェーン店などで多用されている契約形態です。

自己活用

貸主が自ら投資し、賃料などの利益を得る方法です。自己活用する際は、土地の特徴や市場のニーズに合わせて事業を選択することが重要です。事業によっては、多額の資金が必要となるものがありますので、経営的な視点から投資判断をすることが大切です。

●駐車場

月極駐車場やコインパーキングなどで賃料を得る方法です。各活用方法のなかでも、投資規模が小さく、どこのエリアにおいても一定の市場ニーズがあるため、投資リスクが低い活用法と言えます。建物がないため流動性や転用性に優れていますが、収益性や税制上のメリットはあまり高くありません。

●マンション

一般的に3階建て以上の建物で、RC(鉄筋コンクリート造)、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)など、耐火構造の集合住宅を言います。投資の規模は大きくなりますが、同時にニーズや市場も大きいです。また、駐車場等と比べ税制上のメリットも大きいと言えます。ただし、人口縮小や供給過剰に陥っているエリアも存在していますので、一層綿密な市場調査が必要です。

●アパート

主に2階建ての低層で木造・プレハブ造・LGS(軽量鉄骨造)の集合住宅ことを言います。マンションと比べると投資の規模は小さくなりますが、マンションと比べると賃料もやや低めに設定されている場合が多いです。マンションと同様に市場も大きく一定のニーズが存在しています。

●一戸建て

一戸建ての住宅を他人に貸し出す目的で購入し、賃料収入を得る方法です。すでに所有している土地に建築する場合や土地ごと一戸建てを購入し投資する場合もあります。アパートやマンションと比べると投資の規模も小さく、一定の市場ニーズもあるため、比較的始めやすい活用法と言えます。

●トランクルーム

屋外コンテナに並べて、その中をトランクルームとして貸し出すものです。なかには、建物の部屋にロッカーを設置するなどして、屋内をトランクルームとして貸し出す方法もあります。投資の規模は大きくありませんが、場所を誤ると需要がほとんどなく、初期投資を回収することにも苦労するため、慎重な場所選定が重要となります。

●コインランドリー

コインランドリーは駐車場やトランクルームに次ぐ、投資規模の小さな活用方法です。トランクルームと同じく場所選びが重要となります。ここ数年で急増しているため、すでに競争過多に陥っているエリアもあり、一層綿密な市場調査必要です。

●サービス付き高齢者向け住宅

高齢の単身者や夫婦が入居して介護・医療と連携したサービスが受けられる賃貸住宅を言います。投資の規模が大きく、転用性も低いため投資リスクは高いと言えますが、高齢者の増加が見込まれていることや一定の要件により建設費補助、税制の優遇があることは利点です。

●賃貸併用住宅

賃貸併用住宅とは、貸主が住む居住スペースと、借主が住む住居スペースが共存している建物を指します。例えば、3階に貸主が住み、2階は賃貸住宅で、1階は賃貸店舗といったような場合もあります。収支次第では、賃料収入で住宅ローンの負担を大幅に減らすことができます。

●簡易宿所

簡易宿所とは、ペンション、民宿、民泊、キャンプ場、ゲストハウスなど、旅館業法を満たしていない施設をいいます。

●シェアハウス

シェアハウスとは、共用スペースと入居者の個室を備えた賃貸住宅をいいます。共用スペース(キッチン、リビング、浴室、トイレ)は、入居者全員で使用します。

●ホテル

旅館業法を満たしていて、主に洋室の部屋数が10室以上、1部屋あたりの広さが9㎡以上の宿泊施設をいいます。ホテルを自ら経営する場合は、ノウハウが必要です。ホテル運営業者に依頼する場合は、定期借地方式か一括借上(サブリース)方式というパターンがあります。

●店舗

店舗は、飲食店や歯医者、美容室やサロンなど不特定多数のお客の集客を目的とした物件となります。コンビニやドラックイレブンといった特定の店舗仕様で賃貸をする場合や単独店舗や連棟式の店舗を建築し、テナントを誘致するパターンもあります。

●倉庫

会社などが、自己の物や商品の保管に使用される倉庫を自家倉庫といいます。一方、他者の物や商品を保管する倉庫を営業倉庫といいます。また、一般の倉庫、倉庫付事務所といった比較的小規模な施設から物流倉庫、工場といった大規模な施設まで複数の種類やタイプがあります。

●オフィスビル

主に、法人が事務所として使用し、特定の関連する来客訪問が行われるビルとなります。主に都心でのニーズが高く、マンションと比べると投資利回りが高い傾向にありますが、経済の影響を受けやすく賃料に変動があります。

●商業ビル

主に飲食店やアパレル、雑貨店やエステなどの不特定多数のお客が出入りする店舗が使用します。都心の商業エリアでは、ニーズが高く一般的には住居系よりも賃料が高い傾向にあります。

●商業施設

主に、大型の複合型店舗を指し、郊外エリアでのニーズがあります。映画館やゲームセンター、飲食店やアパレル、雑貨店やカラオケなどが複合出店しています。

●太陽光発電

太陽光発電で発電した電気を売ることで収益を得る方法となります。住宅の屋根に取り付けるものをイメージしやすいですが、太陽光投資ではより発電出力の高い産業用設備を利用します。土地を利用し設置する方法やアパート・マンション・倉庫・工場などに設置する方法もあります。

共同活用

ディベロッパーや信託会社などのプロの資金とノウハウを活用して土地を収益化する方法です。

●等価交換

一般的に土地の所有者が土地を出資し、ディベロッパー(開発事業者)が建設費用を出資して建築し、完成した建物を出資した比率に応じて所有することを言います。土地の出資者は、土地の評価額に見合う所有権を得ることができます。

●土地信託

土地所有者(委託者)が土地を信託会社(受託者)に預け、管理・運用してもらう方法となります。土地は預けるだけのため、土地の所有権は失いません。

まとめ

土地の活用を検討する場合は、目先の利益だけでなく将来性についても十分に吟味することが必要です。

なかでも土地活用で建物を建築する場合は、初期投資の割合が非常に大きく、事業資金の大半を融資によって賄います。

全額返済までに20年、30年という期間を要する場合が多いでしょう。

一度建ててしまえば、その建物と一生付き合わなければなりません。建てた後になって、失敗したと思っても、後から安易に変えることができません。

土地活用では、最初の時点に必要なマーケット調査や企画、比較や検討の結果によって、将来の成否が決まると言っても過言ではありません。

経営・投資の視点をもって分析し、正しい意思決定をすることが最も大切です。