不動産基礎

登記簿謄本の種類と見方|注意点を解説

登記簿謄本の見方を解説

登記簿謄本の種類と見方|注意点を解説

不動産の登記簿謄本では、その不動産が『誰の所有者』で『どんな不動産』かといったことが分かるものとなっています。ほかにも不動産の権利に関わることがありますが、今回は、不動産謄本の『種類』と『見方』そして、『注意点』について解説していきます。

登記簿謄本の種類

不動産登記簿は、土地と建物に分かれており、一筆の土地、一棟の建物ごとに1枚記載されています。また、いくつかの種類があります。

※法務局登記簿謄本見本より引用

●全部事項証明書(全部謄本)

過去の不動産情報(所有者、担保、権利関係等)について記載がされたものです。

●現在事項証明書(現在謄本)

現在効力を有する不動産情報(所有者、担保、権利関係等)について記載がされたものです。

●一部事項証明書

請求に係る一部の不動産情報を記載したものです。

●閉鎖事項証明書

全部事項証明書に記載のない、過去に閉鎖された不動産情報(所有者、担保、権利関係等)が記載されたものです。※保存期間は、閉鎖後の土地50年、建物30年となっています。

●登記事項要約書

現在効力を有する不動産登記内容の一部が確認できるものです。なお、証明書としての効力はありません。データの一部だけでも閲覧したいという希望に応えるため発行されているようです。

不動産登記簿の見方

ここからは、一般的な全部登記簿謄本を事例にポイント的に見方を解説します。

表題部

ここでは、土地や建物の基本概要を知ることができます。※見本は土地の概要となります。

※法務局登記簿謄本見本より引用

●地番

『地番』は、『住居表示の住所』とは異なるものです。地番は一筆ごとの土地を特定するために法務局が定めた番号です。一方、住居表示は、家の所在を分かりやすくするために市町村が定めた番号です。
例えば、一軒家の住所は一つですが、地番で調べてみると土地が複数に分かれていることもあります。なお、所在地によっては、住居表示と地番が同一の番号である場合もあります。

●地目

地目には、宅地・田・畑(23種類)の用途のうち、現在何に使われているのかを記載しています。
※建物の場合は、種類となっていますが、居宅・共同住宅・事務所・店舗などの少なくとも30種類以上ある内から現在何に使われているかについて記載されています。

●地籍

地籍では、一筆ごとの土地面積が記載されています。しかし、実際の面積と必ずしも一致しているとは限りませんの注意が必要です。この点については、別の機会に説明します。

権利部(甲区)の記載事項

誰がいつ、どのような目的で不動産を取得し、現在誰が所有しているのが記載されています。上から下に向かって情報が新しくなっています。

※法務局登記簿謄本見本より引用

ここでの登記の目的は、所有権に関する情報が記載されています。例えば、対象不動産に対し、所有権登記がはじめて行われるときは、『所有権保存登記』、対象不動産に対し、すでに存在している所有権が移転するときは、『所有権移転登記』と記載されています。

ここでの権利者その他の事項には、先ほどの登記目的の権利を誰が所有しているのかが記載されています。

権利部(乙区)の記載事項

所有権以外の権利に関する事項が記載されています。上から下に向かって情報が新しくなっています。

※法務局登記簿謄本見本より引用

●登記の目的

ここでは所有権に影響を与える権利内容が記載されています。例えば、抵当権、根抵当権、地上権、地役権、賃借権、先取特権、不動産質権などがあります。

●権利者その他の事項

ここでは登記の目的に関する詳細が記載されています。仮に、抵当権が設定されている場合、当時の債券額(借入額)や利息等、根抵当権者(主に借入れ先の銀行等)などが記載されます。

共同担保目録の記載事項

共同担保目録とは、1つの債権の担保となっている複数の不動産を一覧にまとめたものです。

※法務局登記簿謄本見本より引用

一般的なものとして、戸建てを購入し、建物だけに融資を受けたとしても共同担保目録として土地と建物を一体化させます。これにより、戸建て購入者が土地と建物を別々に売却することが困難になるため、債権者の担保価値が維持されるからです。

取得方法

登記簿謄本を取得する方法は、法務局窓口で申請する方法か、オンラインで申請する方法の2通りです。

●法務局窓口で申請

不動産所在地管轄の法務局窓口にある申請書に必要事項を記入し、申請すれば取得することができます。費用については、1通あたり手数料は600円ほどです。

●オンラインで申請

インターネットの『登記・供託オンラインシステム』に登録し、申請すれば取得することができます。費用については1通あたり、証明書を郵送で受け取る場合は、手数料500円、最寄りの法務局で受け取る場合は、480円となっています。

登記簿謄本の注意点

登記簿謄本において、最初に理解しておきたい点が2つあります。それは、登記の効力に関する点と不動産所有者として大切な視点です。

●登記の効力

登記簿謄本について前提として理解しておく必要があるのは、その情報が現在時点において絶対的に正しいものとは限らないという点です。
一般的に、『不動産登記には、公示力はありますが、公信力がありません。』と表現されています。
わかりやすく言い換えると、登記をしておけば権利は守られうるが、登記を信じて取引をしても権利は守られないということです。

●所有者として大切な視点

不動産登記簿を見る場合に大切なことは推察力です。なぜ、推察する必要があるかと言えば、あなたが思わぬ損害を受けないため、もしくは相手に与えないためです。

例えば、昔使用していた用途が工場だったとします。ここから何が推察されるでしょうか。
その一つとして、土壌汚染の可能性が推察されます。

過去に、印刷、石油、洗濯等の工場だった場合は、注意が必要です。もちろん問題がない場合のほうが多いかと思いますが、紛争や損失というのは万が一の部分で起こるものだからです。

他にも、記載された項目によって、土地の境界、土地の地盤、権利関係に関わることなど様々な推察をすることができます。

登記情報の背景にある見えない問題点を推察することで、重大な問題へと発展する前に、適切な対処が可能となり得るのです

まとめ

登記簿は、記載している内容だけでなく、実際の土地・建物や最新の権利関係など登記情報の背景を推察しながら確認していくことが大切です。

すでに保有している不動産やこれから不動産を取得する場合には、謄本をしっかりと確認し思わぬ不利益を避けれるように役立てれば幸いです。

最後までご拝読いただきありがとうございます。